飯田隆史のブログ 狂人の主催したオリンピック

こんばんは

飯田隆史です

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No.915 狂人の主催したオリンピック
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大学生の頃、芥川龍之介の「侏儒の言葉」を読んで

深く考えさせられた一節があります。


「もし、遊泳を学ばない者に”泳げ”と命じる者があれば、

何人も無理だと思うであろう。

もし、またランニングを学ばない者に”駆けろ”と命じる者があれば、

やはり理不尽だと思わざるを得まい。

しかし、我々は母の胎内にいたとき、

人生に処する術を学んだであろうか?

しかも、胎内を離れるが早いか、

とにかく大きい競技場に似た人生の中に踏み入るのである。

人生は狂人の主催になったオリンピックに似たものである。

我々は人生と闘いながら、

人生と闘うことを学ばねばならぬ。」


どう泳いだらよいかも分からぬまま、

いきなり、人生という大海に放り出され

「泳げ」と命じられる。

泳がなければ死んでしまいますから、

とりあえず、手足を動かし、他の人の泳ぎ方を真似し

あるいはコーチについて、泳ぎ方を習得します。

30年、40年と泳いでいると、だんだん上手に

泳げるようになる人もあるでしょう。

何十年たっても相変わらず下手な泳ぎ方をしている人を見て

「なんだ、もっと上手に泳げないのか」と

調子よく泳ぎ続けている最中の人もいるでしょう。


しかし、空と水しか見えない海で、

肝心の「泳ぐ方角」はハッキリしているのでしょうか?


「とりあえず、泳げるだけ泳ぐだけだ

目的なんて考えなくても泳いでいけるよ」


そんな声が聞こえてきますが、

私たちの体力には限りがあります。

そんな人の行く末には、土座衛門(溺死)という破滅が待っています。


人生も同じようなものではないでしょうか。

「どう生きるか」「生き方」ばかりに心を奪われ

肝心の「なぜ生きる」「人生の目的」を

知らないまま過ぎていく人生は、

あまりにも危険と言わざるをえません。


「人生は一箱のマッチに似ている。

重大に扱うのは莫迦莫迦しい。

しかし、重大に扱わなければ危険である。」(芥川)


この最も大事な問題に答えているのが

2600年前に説かれた仏教なのです。




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発行者:仏教講師・飯田隆

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