飯田隆史【無財の七施-6 〜床座施(しょうざせ)〜】

こんにちは

飯田隆史です。


お釈迦様は、財が無くともできる布施行を

無財の七施として教えられています。

6つ目は「床座施(しょうざせ)」です。

場所や席をゆずり合う親切をいいます。


ついつい、自分の思いや我を通してしまうのが私です。

もちろん、ここ一つ譲れないという信念も大切ですが

日常生活においては、なるべく譲り合っていくことが

大事ですね。

「花を持つ 人から避ける 山路かな」

という言葉があります。

一人しか通れない山道を歩いているとき

向こうから人が歩いてきたら、どちらが道を譲るか。

大事な花を抱えている人は、無理して通ろうとすれば

その花を傷つけてしまいます。

だから、「お先にどうぞ」と道を譲るのですね。

譲ることのできる人は、本当に大切なもの、大事なこと

を知っている人なのかもしれません。


「負けている 人を弱しと 思うなよ

 忍ぶ心の 強きゆえなり」


という言葉もあります。

この競争社会の中で、人に譲る人は、

弱い人、負けた人のように思われがちですが、

本当は芯の強い人なんですね。

乗り物の座席の取り合いから、

権力の座の争奪に至るまで、

今日の世相を見ましても、

いかに床座施が必要かが知らされます。


被災地では、救援物資が届いても、

お互いに譲り合っていました。

奪い合い、取り合いが起きてもおかしくないのに、

その姿は世界中から称讃されています。

つとめて実践していきたいですね。

飯田隆